2006年にフィーベースのファイナンシャルアドバイザリーサービスを立ち上げた、GAIA株式会社代表取締役社長の中桐啓貴氏(写真左)と、楽天証券株式会社の立ち上げ期から、現在の事業を形づくってきた同社代表取締役社長・楠雄治氏(写真右)。
対談の前編では、お二人の出会いと、ブローカーからアドバイザーへと役割を変えてきた金融商品仲介業(IFA)についての思い入れを話していただきました。後編では、これからのテクノロジーとファイナンシャルアドバイザーのあり方についてお話しいただいています。
テクノロジーの進化で、より高まる「ヒューマンタッチ」の必要性
中桐:楠さんは元エンジニアということで、テクノロジーにもお強い。今後、テクノロジーと人の融合がどういう形で進んでいくと考えていますか
楠:今、FinTechが発達し、資産運用を機械が判断して行うロボットアドバイザーなども出てきています。
ただ、資産運用・資産形成って、人生上のあらゆる課題が全部絡んできますよね。有価証券だけじゃなくて、物や不動産の相続も絡んでくる。家族との関係もあるし、人の人生ってそう単純じゃない。そうした課題に対してロボットが全部対応できるかというと、できるわけがないんですね。
中桐:確かに、人が一番影響を受けるのは「人」からだと思いますので、ロボットにアドバイスされても、本当に信じられるかということはあるかと思います。人からサービスを受けるほうが、細かなところまでお客様の好みやニーズを把握しているので、心地よいサービスが受けられると思います。
資産を運用に回すということは、投資した時点ではリターンは確約されていないわけです。マーケットは絶えず動くものですから、大切な資産が数十%という単位で上下することもあります。それをお客様一人で乗り切れるかというと、なかなかそういう知識・投資経験をお持ちの方はいらっしゃらない。
そこで、いつでも相談したりアドバイスをもらえたりする専門家が必要になるのですが、そこをロボットだけに任せて乗り切ることは、なかなか難しいと思います。
楠:実際、ロボットができるのはある決まった枠組みの中で、何通りかのパターンに沿ったアドバイスなり運用方法になります。ただ、例えばあるまとまった資産があった場合に、運用の配分を決めて、部分的にロボットアドバイザーに運用してもらうのはいいと思います。
中桐:当社では「三つのポケット」と呼んでいるのですが、投資をする上で、まず資産を「コア」「インカム」「サテライト」の三つに分けましょうというアドバイスをお客様にしています。
「コア」というのは、10年くらいは使わないとみられる資産をまとめて、お客様に合った形の株式・債券を組み合わせて、長期的・安定的に運用していきましょうというもの。「インカム」の部分は、分配金だったり高配当が見込める投資信託で、定期的に出るお小遣い的に使ったり、別のポケットに回す。「サテライト」は、短期的な値上がりが期待できそうな株や応援したい会社の株を買ったりする。
この、「コア」の部分を、ある程度ロボットアドバイザーに任せるということはあるでしょう。当社の新しいラップサービス「GMA(GAIA Monitored Account)」は、楽天証券さんとお客様との投資一任契約に基づいて資産運用を行う商品ですが、従来われわれが提供しているサービスに比べると、全てではないものの、ある部分は機械的にリバランスをかけたりできるので、ロボットアドバイザーに少し近い形の商品といえるかもしれません。
ただ前提として「三つのポケット」の最適な配分もお客様一人ひとり全く異なるので、その部分のアドバイスをするのも、人の仕事になると思います。
楠:最初の中桐さんの質問に戻ると、これからはテクノロジーとコンビネーションになると思います。ある程度パターンが決められることはシステムで自動化する。それは、ファイナンシャルアドバイザーにとって業務効率化・省力化になりますし、今よりもっとお客様とのコミュニケーションに力を割けるようになるでしょう。
それによって、より質の高いヒューマンタッチなコンサルティングサービスができるようになりますし、アドバイザリーサービスのレベル向上も期待できると思いますね。
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ネット証券とIFA、それぞれの立場で“顧客本位”の資産運用サービスの確立を目指すお二人のお話から、いつでも相談できる専門家が、投資家にとってより身近になる未来が見える対談となりました。
>>【第二回マネビト対談・前編】楽天証券 楠社長 × GAIA 中桐社長
GAIAについて
GAIAでは、経験豊富なアドバイザーが多数在籍しており、全米のお金の専門家が集まるカンファレンスに毎年参加しております。
GAIAは「会社の利益よりお客様の利益を優先します」を信念とし、お客様の資産残高が増えることが自社の収益につながる透明性が高いフィーベースのビジネスモデルを実現しています。
お客様と同じ方向を向いて、お一人おひとりの資産運用の目的を明確にしながら長期的な資産運用を伴走いたします。
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