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投稿日:2020/03/06 最終更新日:2024/04/27

GAIAのプライベート・ファイナンシャルプランナーが語る!資産運用に向いている人、そうでない人

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資産運用に向いている人とは

 編集部  今回のテーマは資産運用についてです。お客さまには資産形成世代の方からシニア世代の方まで多くいらっしゃると思いますが、皆さんの考える「資産運用が向いている人」とはどのような方でしょうか。

 新 屋  どんな人に向いていないかということなら、なんとなく答えやすいですね。向いていない人は資産が減ることに大きなストレスを感じやすい人。あとは、一時的にでもマイナスを見たくない、気になって眠れないというような方は向いていないかもしれません。

写真=プライベート・ファイナンシャルプランナー|新屋 真摘

 編集部  感覚的に、そういう方はどの位いらっしゃいますか。

 新 屋  GAIAにいらっしゃる方はそんなに多くないのですが、世間一般には多いと感じます。知り合いや友人と運用についての話になると、「えー、運用相談にいったのに減るの??うそ~!!」という反応が返ってくることも。リスク性商品についての正しい理解は、私たちのような業界の人間が思っている以上に浸透していないと思います。まずはそこを理解してもらわないと資産運用は難しいので、最初に丁寧にご説明する部分でもあります。

 宮 原  私も同じで、運用状況を気にしすぎる人に比べ、あまり気にしない人のほうが向いているのかなと思いますね。極端に言えば、運用状況は見ないで減っていても増えていても気にしない人。また、このやり方が、このファンドが、この商品が本当に良いのか?と気にし過ぎる方は、その人にあった金額、やり方で運用できていないのかと思います。もちろん大切なご資産のことなので気になるのは当然なのですが、我々のようなアドバイザーがお手伝いする資産運用というのは、ある程度任せることができる人の方が向いていますし、気にし過ぎる人はアドバイザーがいるから安心と思ってもらわないと、上手くいかないですね。そこは私たちの力が試される部分です。

 編集部  三橋さんはいかがですか?

 三 橋  「向いている」というのが「上手くいきやすい」ということであれば、お二人が言ったのと一緒ですね。相場変動時など、何かあるとすぐ慌ててどこかに電話したり、ネット証券に毎日何度も何度もログインしている人は向いていないと思いますね。またテレビやとかワイドショーなどが情報源になっていて、影響を受けやすいという方も。

 宮 原  やはり多くの人は、日頃接するメディアの影響は受けますよね。

 新 屋  家にずっといてテレビがついていれば、四六時中、同じ話題を耳にすることになります。相場の話なども、ずっと聞いていたら気にしないのは難しいですね。

 三 橋  気にし過ぎる人は、価格が上がっても下がっても売りたくなるんです。「そろそろこれ売っておかないと下がるんじゃないの」とか。

三橋PFP写真=プライベート・ファイナンシャルプランナー|三橋 圭介

どんな人に資産運用が必要なのか?

 編集部  どういう人に資産運用が必要だと思いますか?と言う質問ですが、いかがですか?

 三 橋  若い人はみんな資産運用をしたほうがいいと思います。大学生になったらとか、二十歳になったらとか。

 編集部  なぜですか?

 三 橋  自分自身もですし、弊社に相談される方もそうですが、多くの方が「もっと早くからやっておけば良かった!」とおっしゃるんですね。二十歳の頃から積立投資をしていたらどうなっていたか、私はアルバイトしたお金を全部好きなことに使っていましたが、そのうちの一部、数万円でも積立投資に回していたら相当な金額になっていたと思います。

 編集部  当時の自分に何か言うなら?

 

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 三 橋  「先取り貯蓄をしなさい」ですね。

 宮 原  「残ったら貯蓄しよう」、ではいつまでも貯まらないですしね。

 三 橋  そうですね。本当に多くの人に20代前半くらいから始めてもらいたいと思います。20歳で積立投資をスタートすれば40歳でかなりの金額を築けているよ、と伝えたいです。

 新 屋  そういう意味だと、変額年金保険のような頻繁に残高が見えない商品のほうが、長く続けるにはいいという考え方もあります。保険は最初に加入してしまうと、そのまま満期までという方が圧倒的に多いです。これは、投資信託などの購入と違って、値動きを気にしないからだと思います。

 宮 原  投信は見てしまいますしね。特に今はスマホですぐ確認できますから。

 編集部  他にはありますか?

 宮 原  基本的にはどんな人でも資産運用はやったほうがいいと思っています。原則はそう思っているのですが、お金があり過ぎる方は資産運用も含めた資産管理がより必要になります。
また生活費が足りていなくて、運用で少しでも増やしたいというような場合も注意が必要です。お金が足りないとなった時にすぐ解約してしまっては、増えるものも増えないですから。

宮原PFP写真=プライベート・ファイナンシャルプランナー|宮原 秀人

 新 屋  ジレンマですよね。必要な人こそ特に気を付けないと。

 三 橋  近いニュアンスがたまたま昨日読んだ日本証券協会が出している冊子に書いてありました。「投資は余裕資金でやりましょう」って。近く使い道が決まっているものとそうでないものは分けて考えるべきですよね。

 編集部  確かにそうですね。それでは新屋さんの思う、運用が必要と思われる方とは?

 新 屋  先程と矛盾するようですが・・・運用を上手にできるといいですよね。資産運用というのは、下がったときに売らないというのが鉄則じゃないですか。運用資金と近々必要になる資金を一緒にしてしまうと、相場が下がった時に怖くなって売ったり、気にし過ぎて売ってしまうことに繋がります。お金を分ける、ということは重要です。

 宮 原  適切な運用資金がいくらか、というアドバイスをしてくれる人がいないというのも原因ですね。どの程度を運用に回すべきか、分からないという方も多いです。それから、いざ相談しようと思っても、余裕のある人に向けたサービスしか見つからなかったり。

 新 屋  そうですよね。若い人でもアドバイザーに気軽に利用できるような相談窓口は少ないですね。

 宮 原  ちゃんと運用したら少し余裕ができて、やりたいことができるようになる、という方向けのサービスですね。

 新 屋  企業とか福利厚生のような形でバックアップするという仕組みがもっと増えて浸透するといいと思います。

資産運用にはどんな種類があるのか。それはどんな人に向いているのか

 編集部  資産運用をこれから始めたいという人もいらっしゃれば、株だけやっているぞ!という人もいらっしゃいます。そこで資産運用にはどんな種類のものがあるのか、またそれはどういう人に合うのか、という質問です。

 宮 原  少し広い観点でお話すると、積立でするのか一括でするのかということもあります。あとは将来に向けて増やすのか、インカムを受け取るのかっていうところでしょうか。

 編集部  なるほど。拠出の方法と目的別の運用方法の種類ですね。

 新 屋  昔、ある保険会社の方が言っていたことが記憶に残っています。一般の人が考える資産運用と、資産運用の世界に長くいた人の考えは真逆だよ、ということなんですが。タイミング投資が世間一般的なイメージになっている部分がありますが、集中投資と分散投資の違いといった辺りの考えはあまり浸透していないというか。資産運用の話してるといきなりビットコインの話が出てきて・・・となると、それはアドバイザーの範疇ではないというか。

 編集部  投機的であるとか、ギャンブルに近いイメージの方が多いということですか。

 新 屋  運用というと一般的にまだまだそういうイメージが強いのかなと思います。私達が普段行っているのは分散して成長する商品を保有して、経済とともに自分のお金も成長させていく、というのが王道の考え方だと思います。インカムとキャピタルという意味では若くてもインカムにこだわる人がいらっしゃって、こういう方は月々受け取らないと不安だと感じています。ですが本来はこれから長い時間がある若い方であれば、インカムとして受け取るのではなく複利で増やしていけば、増えるスピードも早まるのにと残念に思います。受け取ることに運用の魅力を見出してしまうパターンもあります。

 

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 編集部  そのときはどのような話をするんですか?

 新 屋  ある程度はお客さまの意向を尊重します。経験上、本来はこうあるべきとお伝えして、時間を掛けていくしかないのかなと。

 鈴 木  確かにFXやビットコインを資産運用だと考えている人が意外と多いと、面談をしていても感じますね。経験を積んでいる方であれば知識も豊富なのでそれも間違っていないと思うのですが。アドバイザーとしてたくさんのお客さまに運用について伝えていくという立場では、分散して長期で持つということが色々な方法の中でも確率性が高いということを伝えていかないといけないと思います。そして、それはどういう人にマッチするのかですが、誰にでもマッチすると思います。長期分散投資というのは時間をかけてしっかりコツコツ増やしていこうということです。人生100年時代、若年層ほどそういう運用をやっていかないといけないんだと思います。
 
鈴木PFP写真=プライベート・ファイナンシャルプランナー|鈴木 健太

 宮 原  FXを変動が激しいと思っていないような人も結構いますね。

 新 屋  個別株も配当もらっていいよねとお考えの方もいます。
 
 鈴 木  ものさしは人それぞれですね。

 三 橋  例えば同じ金融業界でも、保険会社の方は多くの場合、資産運用を保険商品のみで行う提案をしています。「米国ドル建ての商品に加入すれば円安のとき儲かりますよ」とか「定期預金より利率が良いですよ」とか。それだけが資産運用かのように言っているケースが多いですね。同じ金融業界でも我々は、王道の資産運用も生命保険も提案しています。将来の為替相場は当てられない、というのが前提だからです。もちろん生命保険も資産運用の1つだとは思いますが、どんな人にマッチするのかを考えることが重要だと思います。例えば年金保険は不確実性が嫌いな人には良いと思います。キャッシュフロー表に65歳から毎年いくら受け取れるんだ、と入力できて見通しも立ちやすくなりますしね。
でも、正直そればかりではどうなんだろうと。保険だけの提案より、王道の運用方法も併せてプランを組める方がお客さまにとってベターな仕組みになりやすいと思いますね。


 編集部  その人にマッチした運用を考えることが大切なんですね。

 三 橋  年金保険での運用もポジションの1つだとは思いますが、そればかりというのはどうかなと。でも実際に保険が好き、年金保険が好きという方は結構いますから。60代のお客さまで、年金保険に4~5本、多い人では10本位入っている人もいますね。それだけで年間800万円くらい受け取っている場合もあります。

 編集部  予定利率が今より高い時代に加入している方はそうなるんですね。

 三 橋  生命保険のみ考える人や提案するアドバイザーもいるかもしれませんけど、これからの時代はそれではいけないのではないかと思います。

 宮 原  何に投資するというところでもう少し追加しますね。株は企業の成長に投資、債券(社債)は企業の発行する負債に投資します。その他にもFXは通貨、リートは不動産、ローン、絵画、骨董、クラシックカー、バイオリン、ウィスキー・・・などありますが、できたらすべての投資の使い道が決まっている方がいいですよね。今あるお金をどこに振り分けるか。GAIAでは「5つの運用」という形で提案していますね。

1.「貯める」

普段使っていく・貯める

2.「殖(ふ)やす」

将来に向けてある程度リスクを取って殖やす

3.「贈与する」

生前に家族や次世代に贈与する

4.「守る」

保険で万一のリスクに備える

5.「遺す」

自身の資産を相続人に遺す


運用をこういう視点で考えてみるのも必要かもしれませんね。

資産運用のメリット、留意点

 編集部  資産運用のメリットについてお聞かせください。留意点についても併せてお願いします。

 鈴 木  きちんとした運用を長い間続けていけば、現金で持っているよりも増えている可能性は高いと思いますし、それが一番のメリットだと思います。また、始めたことで経済番組を見るようになって視野が広がるという話はよく聞くので、そのようなことも付加価値としてあるんじゃないかと思います。留意点としては、お金は色分けして運用していくということです。本当はすぐ使うお金を投資に回してしまって、我慢しなければいけないとか、こんなはずじゃなかったとか…。
逆もしかりだと思うので、きちんと運用を始めるときに今の自分を棚卸しして計画を立てて運用していかないと、途中で計画が狂ってしまい、長期投資が続けられないということはあると思います。

 編集部  現金では得られないリターンがある事や、勉強することで視野が広がるメリットがある一方、運用の色分けの仕方や目的を整理して、ちゃんと計画を立てることが重要なんですね。

 新 屋  資産運用で資産が増えた場合、その後の生活にいろんな選択肢を持てることがメリットだと思います。例えば、早く仕事をやめられるとか、3人目の子どもをもつ後押しになるとか。自分には分不相応と思っていた家を持つことができたなんてこともあります。プラスアルファの力を生み出すっていうのが資産運用ではないかと。それから働くことと節約することしか選択肢がない、限られたことしかできない状況があるとして、そこを少しでも広げられるのが資産運用のメリットでもあります。ちょっと手が届かないかなと思っていたことができる、人によってはそれが楽しいとていう気持ちを産む人もいれば安心という気持ちになる人もいる。運用しないことは機会損失だと思います。

新屋PFP

 宮 原  資産運用するデメリットはどうでしょう。私も選択肢が増えるっていうのが一番のメリットかなと思いますし、お客さまでもそうおっしゃる方が多いです。早期退職など今とは違う働き方が選択できるから、自分の選択できるものを広げるために運用しているんだという人がいますね。また、この視点は無かったなと感じたことがありました。リタイアした方の話ですが、もともと仕事をして税金を納めていた訳ですけれど仕事がなくなると税金を納めなくなるから、今は運用して、運用益や配当で税金を納めているんだ、とお話された方がいます。捉え方は人それぞれですが、社会に貢献するという視点を持っている人も運用している人の中にはたくさんいらっしゃる気がして、自分の満足を高める行為としても役立ってるのかなと思います。

 三 橋  退職して定期収入がない方からすると、安心できるというか・・・。運用しているからこそ、今ある自分の生活を維持できて、配偶者と子供たちに今と同じ生活をさせてあげられている。インカムによって足りない分を補ったりして、そこまで大きな話じゃなくても、趣味のゴルフに行けるとか。働いて得る収入がないので、資産運用が生み出してくれる収入が自分の頼みの綱という形になりますね。やりたいことを実現するためにという視点ももちろんありますが、意外と自分の生活を守ってくれる、維持していくために必要という視点もあるのかなと思います。一方デメリットは、どう運用していくかを考え続けないといけないことですかね。アドバイザーがいれば相談できますが、1人でやっているとしたら、「これ売ったほうがいいのか」、「組み替えたほうがいいのか」、「勧誘されてこっちにしたほうがいいのか」、「でもこの商品はここが良さそうだ」と常に頭を悩ます課題が生じてきます。木を見て森を見ない話になってしまう場合もあります。常に資産運用のことを考えてメンテナンス・管理をしていくことは、人によっては大変なことです。メンテナンスはとても重要ですからね。

 新 屋  私がいつも言っているのは、3万円とか5万円を積み上げていく事は、多くの人にとってはハードルが高くないと思います。でも何千万円と資産が積み上がったときには、総資産が数億円の方にとっては別ですけれど、資産運用が大きなプレッシャーになってしまうと思いますね。強いて言えば、そこはデメリットじゃないかな。

 宮 原  気がついたらこんなに背負ってしまって荷が重いって方は結構いらっしゃいますよね。それが家族のお金であれば尚更。資産形成していくのはある意味簡単ですが、反対に、取り崩しながらやっていく方が難しいですよね。

 編集部  最後に、皆さまにとって資産運用とは?

 三 橋  セミナーでは「経済成長の恩恵を受けること」と言っていますが、自分の実感としては「わが家のボランティア労働者」ですね。現在、私自身は子ども手当を原資に積立投資をしていますが、トータルリターンが結構良いんですよ。これだけで大学の学費は全部出るだろうなと。15歳まで15年間続ければ500万円とか600万円といった金額になることを考えると、将来必要なお金を知らないうちにつくってくれる労働者のようです。子ども手当は自動的に入ってくるので、その用途を色分けして時間分散の投資をするにはぴったりです。最終的に受取総額が倍以上になることもあると思います。

 新 屋  私も三橋さんの感覚と同じで、共働きの私にとって「3人目の稼ぎ」です。

 鈴 木  「人生100年時代に必須なもの」ですね。

 宮 原  先ほど話にも出ましたけど、「選択肢を増やしてくれるもの」。

 編集部  本日はありがとうございました。次回もお楽しみに。

座談会Vol001 (写真=GAIA株式会社)

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