老後は今までできなかったことをしたいと検討する人もいます。その中の一つに海外移住があげられます。現役時代、慌ただしくしていたので、リタイア後はゆっくりしたいと思うのかもしれません。海外移住にはどのようなメリットがあり、どの程度の費用が必要なのでしょうか。考えてみましょう。
老後で海外移住することのメリットとデメリット
海外生活は憧れだけでは生活し続けられません。海外居住のメリットやデメリットは、どのような点があげられるんでしょうか。
●メリット
・ 異文化交流ができる
・ 英語力をはじめとした外国語を話せるようになる
・ さまざまな人と知り合い、新しい刺激を得られる
・ 日本と比較して物価が安い
・ (国によっては)過ごしやすい気候
●デメリット
・ 水や食事が合わない
・ 気候が合わない
・ 現地の人の話し言葉がわからない、言葉が通じない
・ 治安が悪い
・ ビザの手続き、税金や年金関係の手続きがわからない
・ 医療制度が不十分で安心できない
・ 交通網が発達していない
・ 現地に知り合いがいないと頼りづらい
言葉や気候、宗教上の違いや文化、医療、税金など、海外には日本との違いが数多くあります。ずっと住み続けられる国なのか、あらかじめよく検討しておきましょう。滞在して3ヵ月間は観光ビザで過ごせる国もあるようです。
いきなり海外移住をするのではなく、ロングステイをしてみて生活ができるようであれば海外移住をするのでもいいかもしれません。
海外移住にはどれくらい必要なのか?
海外に移住するときには、リタイアメント査証という退職者ビザが必要です。また、海外に住んでいたとしても手続きをすれば年金の請求をすることもできます。年金が受給できるようになっても、自動的に受け取りができるわけではないので注意が必要です。
海外移住の際には、現地までの渡航費用、日本から海外への荷物の郵送費用、リタイアメント査証取得費用、これ以外に現地での生活費がかかります。東南アジアであれば月々15万ほどあれば生活ができると言われていますが、北米の場合は生活費がさらにかかります。北米は住居費や食費が高く、東南アジアの1.5倍から2倍の生活費がかかると言われます。欧州も国ごとに物価が異なります。たとえば東欧は東南アジアと似た金額で生活ができると言われますが、イギリスや北欧は北米と同程度の生活費が必要だと言われます。
このように、海外への移住は国によって生活費が異なります。国によっては年金の範囲内で生活できますが、ゆとりのある生活を過ごすのであれば、年金だけでは足りないかもしれません。
また、今は日本より物価が安い国も、いざ自分たちがリタイアをして老後に海外移住するときになれば、物価が上昇していることも考えられます。為替も動くので、現地通貨に変えようとしたときに円安に触れていると、思ったほど両替できない可能性もあります。
そのため、ある程度の余裕を持った資金計画を立てておく必要があると言えます。住みたい国が決まっていて、日本でも外貨預金ができるのならば、毎月積み立てを行うのもいいですし、円高に触れたときに外貨を購入して備えておくのも手だと言えるでしょう。
海外移住をするならライフプランと資金計画を立てる
老後に海外移住を検討するのであれば、将来のライフプランを考え、少しずつ計画を立てて実行するのが得策でしょう。若いうちから毎月コツコツ費用を貯めておけば、将来的にまとまった資産となるでしょう。ライフプランを立てるにあたり、いつどのようなライフイベントがあり、そのときにいくら必要なのかを具体的にイメージをしたうえで資金計画を立てましょう。もし、一人で考えるのが難しければ、ファイナンシャルプランナーなどのお金の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。さまざまな切り口からお金の見直しやアドバイスをもらえることでしょう。
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