資産形成をするうえで欠かせないのがポートフォリオという考え方です。リスクを分散しながらリターンを得るために資産をさまざまな金融商品に振り分けて管理・運用する方法です。今回は資産形成に効果的なポートフォリオのメリットや作り方をご紹介します。
目次
資産形成と資産運用の違い
資産形成と資産運用は言葉が似ていますが、意味が異なります。資産形成とは、将来の備えのために、安定かつ継続して資産を作り上げていくことです。早期の利益を目指すのではなく、あくまでゼロからこつこつ積み上げていくという意味合いです。
一方、資産運用とは資産を維持しながら、資産全体を効率よく拡大していくことです。貯蓄や投資も資産運用のひとつです。貯蓄は元本保証のある預金などで安全に運用し、投資は株や投資信託などを購入して、リスクを取りながら大きなリターンを狙います。投資を行うときはリスクとリターンを考え、自分の資産は自分で守らなくてはいけません。そのために、ポートフォリオの作成が欠かせないのです。
ポートフォリオ作成のメリット
ポートフォリオとは、所有している資産の組み合わせのことをいいます。ポートフォリオを作成するために、どの金融商品をどれくらい保有するのかを検討していきます。これにより資産の偏りを防ぐことができるので、初心者の場合は最初に作成しておくといいでしょう。
ポートフォリオに基づいて、違う値動きをする資産を組み合わせる「分散投資」をすることで、リスクを分散しながら運用していくことが可能になります。そして、運用期間中は金融商品の運用成果などを見ながら、適宜ポートフォリオを修正していくことをおすすめします。
ポートフォリオの作り方
ポートフォリオを作るときは、貯蓄と保険だけでなく、余裕資金を投資に回すことも意識してみましょう。初心者の場合はまず運用に慣れる必要があるので、リスクを抑えるために国内の債券や投資信託を中心に選びながら、海外資産を組み合わせていきましょう。
このほか、金や不動産などを組み入れるケースもありますが、個人の資産状況に合わせて、無理のないポートフォリオを組むようにしてください。若いときは、運用期間を長くすることで多少のリスクを負ってでも回収できることがありますが、年齢を重ねていった場合には比較的リスクが少ない流動性のある金融商品をメインに考えるのがおすすめです。
資産形成にポートフォリオを活用するには?
ポートフォリオを作成することで、資産運用にかかるリスクを抑えることが期待できますが、個人の資産状況や投資スタイルによってその配分は変わってきます。そのため、一概にこれが正解という答えはありません。個人の資産状況に合ったポートフォリオを作成するようにし、一度ポートフォリオを組んだ後も、ライフスタイルの変化に応じて見直しを行っていくことが大切です。
ポートフォリオはあくまで資産運用を行うための基本設計図です。最終的に資産形成という目標に到達するためのひとつの手段と考えましょう。保有している資産が、投資などの資産運用に偏らず、貯蓄や保険とのバランスを保つことも大切です。ポートフォリオの作成方法がわからない場合は、FPなどお金の専門家にアドバイスをもらってもよいでしょう。
まずはポートフォリオの作成からスタートしよう
リスクを分散しながら安定的な資産運用をするためにも、まずはポートフォリオを作成してみましょう。資産が一極集中することを防いだり、資産管理が楽になったりするなどのメリットがあります。預貯金や保険の比較的リスクの低い投資先と株式などのリスクの高い投資先を組み合わせ、バランスのとれた資産形成を目指していきましょう。
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