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投稿日:2017/07/18 最終更新日:2024/04/26

投資効率から見た年金に勝る資産運用を考えることとは

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

リタイアした後に生活を支える「年金」の投資効率について、考えてみたことはありますか。毎月支払っている年金保険料の投資効率がそれほど悪くないことが分かれば、安心して支払い続けることができるでしょう。

ここでは、公的年金(国民年金)の利回りを分析し、公的年金以外の資産運用方法も紹介していきます。

年金の投資効率(国民年金の利回りに関する分析)

国民年金保険料の投資効率について分析します。

現在の国民年金保険料は1万6,490円(2017年度)となっています。仮に20歳から60歳までの40年間、同額を支払った場合、支払保険料の総額は1万6,490円×480ヵ月=791万5,200円となります。

国民年金保険料を支払った分だけ老齢基礎年金として受け取ることができ、満額を支払った場合は2017年4月からの受給額は77万9,300円となっています。

通常、株式投資などで用いられる「配当利回り」は、配当金÷株価で計算することができます。私たちの国民年金の利回りを、仮にこの計算式に当てはめるとどのような数字が出るのでしょうか。

受給額77万9,300円÷総支払保険料791万5,200円=0.098、投資効率は9.8%となります。ただし、支払開始時期や年齢などを考慮していないため、正確なデータではなくあくまでも投資効率を測る目安となる仮の数字です。

日本経済新聞が発表している国内の株式指標(2017年6月時点)によれば、日経平均の平均配当利回りはおおよそ1.14~2.01%となっています。このことからも年金の9.8%という利回りが大変優れている数値であることが分かるでしょう。

国民年金は日本という国が運営しているため、倒産リスクがゼロに近いというメリットがあります。老齢基礎年金の財源は基本的には20~60歳の世代が支払う保険料ですが、国には所得税や法人税、消費税などの税収もあります。日本の財政システムが破たんしない限り、安心することができるというセオリーが成り立ちます。

支払った年金保険料は年末調整や確定申告時に「社会保険料控除」として適用することができるため、支払い期間中の節税効果も見逃すことができない大きなポイントです。

個人年金(私的年金)の投資効率(民間の個人年金の利回りなどに関する分析)

民間の保険会社の個人年金の投資効率はどうなっているのでしょうか。仮に、月々の支払い保険料を1万5,000円とした場合を考えてみましょう。

月額保険料1万5,000円を20歳から60歳の40年間支払い続けた場合、支払保険料総額は720万円(=1万5,000円×480ヵ月)となります。受け取ることのできる年金が約78万円と設定されていた場合、投資効率は10.83%(=78万円÷720万円)となります。

国民年金に比べると利回りが高くなっていますが、民間保険会社による倒産リスクや経済情勢の変化などによる変動リスクがあることを考慮しなければなりません。国による財源とは異なり、安定性や確実性においてはやや劣ると考えたほうがいいでしょう。

個人年金においても、社会保険料控除を適用した節税対策を講じることが可能です。ただし、社会保険料控除は上限額があるため、すべての保険料を使って節税効果を上げることができない点で注意が必要です。

年金以外の投資(株式、不動産など)の投資効率を比較

年金以外の投資としては、有価証券の売買による譲渡益や配当金、分配金等、そして不動産投資が有名です。

不動産投資の利回りは、受取家賃÷不動産購入価格で計算することができます。例えば、購入価格7,480万円、家賃収入が年間348万円のマンション投資は、表面利回りは4.65%となります。実際には、ここから固定資産税や管理費などの費用がかかるだけでなく、空き家リスクも考慮する必要があります。

リスク分散のための投資が必要

さまざまな投資効率を分析してみました。それぞれにメリットやデメリットがあるため、リスクを分散して投資をすることがもっとも賢い資産運用方法であることがお分かりいただけたでしょう。自分に合った投資方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

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